はじめに:なぜ「質問力」が重要なのか?
「質問力が高い人は、信頼される」「いい質問ができる人は、成長が早い」——そんな言葉を聞いたことはありませんか? 質問とは、ただ情報を得るための手段ではなく、相手との関係性を深め、自分の思考を磨くための強力なツールです。
この記事では、質問力を高めるための3つの視点と、具体的な質問のコツについて解説します。読めば、あなたの会話力・思考力・人間関係がぐっと深まるはずです。
齋藤孝氏の著書「質問力――話し上手はここがちがう」の要約
ちょうど、タイトルとして「質問力」というおあつらえ向きな本があるため、その内容の一部を要約してみたいと思います。
質問には「軸」がある
- 質問を「具体⇔抽象」「本質⇔非本質」の2軸で分類。
- 最も価値あるのは「具体的かつ本質的な質問」。
- 例:「あなたが自信を持って使える道具は何ですか?」
質問は“技”として鍛えられる
- 質問力はセンスではなく、練習で身につくスキル。
- 対話の中で「うなずき」や「言い換え」を活用して、相手の話を深掘りする。
質問は“網”である
- 良い質問は、相手の知識や経験を引き出す「網」。
- 自分が素人でも、質問次第で専門家から深い話を聞き出せる。
「沿いつつずらす」技術
- 相手の話に共感しつつ、少し視点をずらすことで、対話がより深く広がる。
- 例:「それって○○にも応用できますか?」といった問いかけ。
質問力は人生を豊かにする
- 初対面の人とも短時間で深い話ができるようになる。
- 文脈を読み取り、相手の関心に寄り添う力が問われる
質問のレベルを決める3つの要素
質問には「深さ」があります。
表面的な質問もあれば、相手の心に深く届く質問もある。
では、どうすれば「レベルの高い質問」ができるのでしょうか? その鍵となるのが、以下の3つの要素です。
本質 × 具体性
質問が抽象的すぎると、相手は答えづらくなります。
逆に、具体的すぎると本質からズレてしまう危険性があります。
たとえば、「仕事ってどうですか?」という質問は漠然としすぎています。
それよりも、「最近のプロジェクトで一番やりがいを感じた瞬間は?」と聞けば、具体的かつ本質に近づけます。
ポイント:
- 抽象と具体のバランスを取る
- 相手の経験や価値観に触れる問いを意識する
自分の興味(関心) × 相手の興味(関心)
質問は、相手の話を引き出すためのものですが、自分の興味や関心がゼロだと、会話は続きません。
逆に、自分の興味だけで質問すると、独りよがりになってしまいます。
たとえば、あなたが「読書」が好きで、相手が「映画」が好きなら、
「最近観た映画で、読書好きにも刺さりそうな作品ってありますか?」と聞くことで、両者の興味・関心が交差します。
ポイント:
- 共通点を探す
- 相手の世界に自分の視点を織り交ぜる
過去の経験 × 現在の文脈
質問には「時間軸」があります。
過去の経験を掘り下げる質問は、相手の価値観や背景を知るのに有効です。
一方、現在の状況や課題に焦点を当てると、実践的な話が聞けます。
たとえば、「今の仕事を選んだ理由は?」という質問は、過去と現在をつなぐ問いです。
「その選択に影響を与えた出来事って何ですか?」と聞けば、さらに深掘りできます。
ポイント:
- 時間軸を意識して質問する
- 過去→現在→未来の流れをつくる
いい質問をするための3つのコツ
質問の質を高めるには、ちょっとした「コツ」があります。
ここでは、特に効果的な3つの切り口を紹介します。
好きなことを聞く
人は「好きなこと」について話すとき、自然と表情が明るくなり、話も広がります。
たとえば、
「最近ハマってることってありますか?」という質問は、相手の趣味や価値観を知るきっかけになります。
さらに、「それにハマったきっかけは?」と聞けば、より深い話が引き出せます。
苦労話を聞く
苦労した経験には、その人の努力や工夫が詰まっています。
「一番大変だった仕事って何ですか?」
「そのとき、どう乗り越えたんですか?」
こうした質問は、相手の人間性や成長の過程を知るうえでとても有効です。
ただし、タイミングや関係性には注意。
信頼関係がある程度できてから聞くのがベターです。
変化(ターニングポイント)を聞く
人生には、価値観や行動が変わる「転機」があります。
「今の考え方になったきっかけってありますか?」
「その出来事が起きたとき、何を感じましたか?」
こうした質問は、相手のストーリーを引き出す力があります。
質問力を高めるための習慣
質問力は、センスではなく「習慣」で磨かれます。
以下のような習慣を意識してみると自然と訓練になり、スキルも向上していくと思われます。
- 日常の会話で「なぜ?」を増やす
- インタビュー記事や対談を読んで、質問のパターンを学ぶ
- 自分がされた質問の中で「嬉しかったもの」「答えづらかったもの」を記録する
- 相手の話を聞きながら、次の質問を考えるクセをつける
まとめ:質問力はバランス
いい質問とは、相手の思考を刺激し、感情を動かし、記憶に残るものです。
ただ、質問付けにされるのは、あまり気分の良いものではありません。
なんでもそうですがバランスが大事。
質問力を磨けば、会話が深まり、人間関係が豊かになり、自分自身の成長にもつながります。
ぜひ、今日から「問いの質」にこだわってみましょう。世界が、きっと変わります。
私自身も本日の内容を基に、少しずつ実践し、質問力を高めていきたいと思います。
以上、参考になれば幸いです。
それでは。


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